2020年もまた芸術祭ラッシュである。茨城県北地域は芸術祭とすこし異なるアプローチを昨年から始めた。作品ではなく作家や研究者(と)の体験を主眼とし、テクストとして10年後、100年後に受け継ぐことを目指す。今回は記録写真の一葉、手漉き和紙の一文字がいかに大きな時間の中に存在しつづけているかということを、手を使い足で歩きながら体験する。かつてあったもの、これから始めるトライを地域から掘り出し、掘り下げ、じわり日々の感情に結びつけられるか。我々自身の探究心にかかっている。
_ 澤隆志
2020年2月22日(土)
アメリカの著名な写真家ユージン・スミスが、1960年代に日立を撮影したことはあまり知られていません。その写真を長年、調査してきた学芸員の大森潤也と、貴重な資料を閲覧、実際の撮影場所を見学し、スミスの写真を地域資料として読み解いていきます。
◎アフタートーク 15:45-16:15
大森潤也×松本美枝子×舘かほる(写真研究者、本プログラムリサーチャー)
2020年2月23日(日)
国土が違えば木の径も異なり、紙漉きの大きさとして現れます。文字も誕生から今まで変化は止まらず、書家・華雪はその変化を創造の源とします。今回は「芸」一文字の誕生からイメージし、すき絵技法で字を書きます。
◎アフタートーク 16:00-16:40
華雪×澤隆志
1974年茨城県生まれ。人々の日常、人間と自然環境の移動などをテーマにフィールドワークを行い、写真やテキストなどによる作品を発表する。主な展示に、中房総国際芸術祭「いちはらアート×ミックス2014」、「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」、2018年 個展「The Second Stage at GG」#46「ここがどこだか、知っている。」(ガーディアン・ガーデン)など。写真集に、詩人・谷川俊太郎とコラボレーションした『生きる』(ナナロク社)などがある。
1971年茨城県生まれ。イメージフォーラムのフェスティバルディレクター(2001-10)を経て現在はフリーランスのキュレーター。あいちトリエンナーレ(2013)、東京都庭園美術館(2015,16)、青森県立美術館(2017,18)などでキュレーション。
各回3日前までに、上記アドレスに以上の内容を添えて送信してください。定員になり次第締切とさせていただきます。
参加費 各回500円
当日徴収/要予約
茨城県では、アートを活用した地域主体のまちづくりのための事業に取り組んでいます。《メゾン・ケンポク》はその一環として、2018年12月にオープンしました。丘の上に立つ、かつて大きな料亭だった建物を活用し、長期滞在できるレジデンスと、イベントや制作活動を行うことができる設備を順次、整備中です。3階には風情のある56畳の大広間と舞台があり、窓からは常陸太田市の美しい町並みと山々を見渡すことができます。アーティストで茨城県北地域おこし協力隊の日坂奈央(ファッション・デザイン)と松本美枝子(写真家)が常駐し、ここを拠点にさまざまなアート・プロジェクトを発信していきます。
web maisonkenpoku.com | facebook @maisonkenpoku | twitter @maison_kenpoku | instagram @maison_kenpoku
茨城県常陸太田市西一町2326
Tel:080-8740-6912
JR水郡線常陸太田駅より徒歩15分/常磐自動車道日立南太田ICより車で15分
駐車場は常陸太田市郷土資料館向かいの市営駐車場をご利用ください(無料)